ワケありモテ男子をかくまうことになりました。



「何作ってるの?」

「スクランブルエッグ。土曜の朝こそサンドイッチでしょ!」

「うーん、それはよく分からないけど……。てか犬飼くん料理できたんだね」


この一週間、朝も夜もすべて私が作っていたから当然犬飼くんは料理ができないものだと思っていた。


「できるよ料理くらいー。意外だった?」

「……まあ」

「ははっ、そっか。いやさ、雨宮さんにずっと作ってもらうの悪いなーって思って。今までは雨宮さん家の冷蔵庫開けるのに抵抗あったから作ろうとしなかっただけ!」


口を動かしながら手際よくこんがりと焼けたトーストの上にスクランブルエッグを乗せ、ケチャップをかけていく犬飼くん。


朝ごはんは瞬く間に完成して、私はテーブルにたまごサンドイッチが乗ったお皿を置いた。

向かいの席に犬飼くんが座ったのと同時に、二人合わせて「いただきます」と手を合わせる。こうするのももう何度目だろう。


「ん、美味しい」


一口食べて、私は目を見開いた。