朝から甘い笑顔を飛ばされて、眩しさに目を細める。
「……おはよ。何してるの?」
「朝ごはん作ってる!」
「ふぅん」
私は適当に相槌を打って何気なく壁時計を見た。
「え!?」
「何っ」
私が大声を上げたことに犬飼くんが目をまん丸くさせて私に視線を投げる。
「もう八時半!! もう学校間に合わないじゃん……」
驚きから一気に気分が沈んだ私は、へなへなとその場に座り込んだ。
「何言ってんの雨宮さん。今日休みだよ?」
台所からそんな言葉が聞こえてきて、私は「え……?」と振り向いた。
犬飼くんは「珍しいね、雨宮さんが曜日把握してないなんて」と口にしながら何かを作っている。
私はほっと胸を撫で下ろしながら立ち上がり、犬飼くんの手元を覗いた。



