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「はい、ゆい。六限目お疲れ様〜♪」


「…ありがと、杏月」



 コトンと私の机に置かれた苺ミルクを見て、杏月にお礼を告げる。今は六限目の終わり。後は七限の数学を受けて、帰るだけ。


 きっと杏月は、朝からちょっと様子の違った私を見かねて、彼女なりに気にかけてくれているんだと思う。


 いつもは二人一緒に買いに行く飲み物を、こうして私の分と自分の分とを一人で自販機まで買いに行ってくれたんだから……。



「やっぱ英語ってむりぃー……!ただでさえ疲れてるのに知らない言語の授業受けてもっとダルくなった!」



 むぅ、と唇を尖らせて、おそらく英語の教科担当である吉光(よしみつ)先生に対しての不満をグチっている杏月。



「あはは、英語は小学校の頃から知ってるはずだけど?」


「ううん、知らないっ。あんな記号の羅列、読んでるだけで頭痛くなる!ゆいは英語の成績学年一位だからそんなこと言えるんだよぉー……うぅ」