───…
「ゆいおはよー」
「おはようゆいっ!」
「ねぇゆい聞いてー、昨日彼氏がね…」
登校時間になり、いつも通りみんなが次々と挨拶してくれる中、私は日誌に今日の時間割を書き込みながら挨拶を返していった。
その中でも私に愚痴を零すかのように朝イチから彼氏との悩みを相談してきたのは、私の親友の加藤 杏月ちゃん。
今日もメイクバッチリの彼女は本当に可愛くて、私の癒やしと言っても過言ではない。
肩のちょっと下くらいまで伸びるカールがかったセミロングの髪型は、今日も彼女が朝からアイロンをしてきたのだろう。
「私が夜に電話しよーって約束してたんだけどね…っ、そのまま悠くん寝ちゃってぇー…!」
悠くんというのは、杏月の最愛の彼氏だ。私が初めて杏月と出会った中学校の入学式の日にはもう既に“悠くん”と付き合っていた。
「おはよう、杏月」