……ああ、もう。今日は本当に最悪な日だ。
犬飼くんという傷だらけの子犬を拾って、挙げ句雷が落ちるくらいの大雨で、もう夜が近づいているというのに夜ご飯さえ作れていない。
「きょ、今日のことは誰にも言わないで……ほしい。特に藍津高校の子には、」
「うん、言わないよ」
真剣な声に、私は顔を上げて彼を見た。真摯な瞳が私をまっすぐに見つめている。
まだ乾いていない濡れた前髪。形の整った唇。
韓国アイドル顔負けのイケメンに、私の目は奪われた。数秒間、無言で彼を見つめていた私。
「雨宮さん? どうしたの、俺の顔なんか付いてる?」
「……っあ、いや、何も」
私は慌てて目を逸らした。それからまた彼と目を合わす。
「あ、もしかして俺の顔に見惚れてたとか」
図星を指されてビクッと肩が震える。
「え。まじ?」
あ゙ぁ〜、もう! 穴があったら今すぐ入りたいっ。
「ち、違う! 絶対に違うから」



