ワケありモテ男子をかくまうことになりました。



ドン……ッ!!!

鈍い音が辺りに響いた。

それと同時に、バイクが傾き、俺は地面に放り出された。


「……っ、それで、ゆいの兄貴は、雨宮さんは! 死ん──」


涙があふれて、止まらない。

頬に熱いものが流れ、〝死〟という言葉を口にした俺の唇にそっとゆいの人差し指が触れた。


「もう、いいよ……っ。それ以上、言わなくていい」


ゆいは俺の目の前で崩れ落ち、涙目で俺を見つめた。


「犬飼くん。悪いのはあなたじゃない。犬飼くんが私のお兄ちゃんを殺したんじゃない……っ。だから、自分を責めないで」


泣いている俺をゆいがそっと抱きしめた。

ゆいの体温が伝わって、何年も心の奥底で抑え込んでいた気持ちがわっと溢れ出す。


「おれ……っ、兄貴に言われたんだ。〝お前があの道を通ろうって言わなければ、俺はこんな目にはあっていなかったんだよ!〟って。パトカーに強制的に乗せられながら、兄貴がそう言ったんだ……っ!」


声を荒げる俺の背中を、ゆいは落ち着かせるように何度も何度も撫でてくれた。


「……ねえ、犬飼くん」


涙声で俺の名を呼ぶゆい。


「犬飼くんが抱えてるギャップは、そのことが原因だったりする……?」


ゆいの言葉に力なく頷いた。その瞬間、大きな声で言われた。