「命!!」
バスを降りて命を見つけると、私は命に駆け寄った。
「私、全部思い出した。命、
あなたは幽霊だったんだね」
涙ながらに言うと、命は驚いたような表情になり、
優しく微笑んだ。
「うん。ソラは僕が死んだせいでショックで
記憶を失った。だから僕はソラを幸せにしたくて
ソラの前に神様と名乗り現れたんだ」
命……。
私は命を抱きしめようと手を伸ばすけど、
触れられないことに気づいて私は手を引っ込めた。
「命、また会えて嬉しい」
私は笑う。
「僕も嬉しいよ」
命がそう言うと、命の体は半透明になっていった。
「え?」
「ソラの幸せは、どうやら僕ともう一度会うことだったみたいだね。願いを叶えた代わりに僕は消えるよ。元気でね、空」
やだ。
消えないで。
「いかないで。私をひとりにしないでよ」
私は涙を流しながら叫ぶ。
「空、もう一度会えて良かった」
段々透明になっていく命。
「命っ……!!」
彼はニッコリ笑い、消えた。

