「あんた、喧嘩が強いんだな」 お兄さんを睨み倒すような怖い顔で、朝都くんが重い溜息をついている。 お願い、東条くん。 挑発しないで! 東条くんは喧嘩が強いって、噂で聞いたことがあるよ。 暴走族の総長だって。 でも…… 相手は大人だよ。 ナイフを隠し持ってたら、グサッとお腹を刺されちゃうかもしれないのに。 お兄さんに肩を抱かれたまま、私は東条くんの心配をしてしまうのだけど。 東条くんは相変わらず。 お兄さんのことを、ブチ切れ寸前の魔王みたいな目で睨みつけている。