BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー


プツ──と、私の思考を遮断した声。


「あ、大城くん!」


麻美がそう呼ぶ目の前に現れた相手に、ドキリ、と心臓が跳ねた。


「楽しかったよー。ちょっとハプニングはあったけど」


なんて、私をチラチラ見ながら言う麻美は、きっと話したくて仕方ないんだろうけれど。


警察沙汰になるほどの大騒動だったためか、それ以上の言葉は飲みこんでくれて助かる。


なるべく、昨日のことは外部には知られたくない。

合コンのメンバーも、警察から強く口留めされたらしい。


宝生の家が絡むと分かれば、全員貝のごとく約束は守ると誓ったらしい……麻美からの情報。


なんだか、本当に申し訳ない。