「オッケー」
「行くか」
今のって……。
そんな違和感を整理する暇もなく、嵐の号令に一同が立ち上がり。
みんなが立ち上がる中、私の目はまだそこに釘づけになったまま。
まさか、ね……?
「お嬢様、行くよ」
「あ、うん」
希璃人にせかされて私も立ち上がろうとしたけど。
「おっと……」
手錠と椅子がつながれているのを忘れていた。
バランスを崩し、よろけた体を支えてくれたのは……嵐。
ふいに距離が縮まって、嵐のサラサラの髪が私の頬に触れる。
ふわりと香る清潔感に満ちた匂いに、不覚にもドキドキした。
「逃亡の恐れがないから外す」
そんな私とは反対に淡々と言い、手錠を外す嵐。
私の腕に触れる嵐の冷たい手。
胸の奥がむず痒く、熱いものがこみあげるような初めての感覚に、私はどうすることも出来ず。
ただされるがままじっとうつむいていた。



