「警察の方はどうなってる」
「上層部で箝口令がしかれてる。当分この件は下に降りないだろうな」
警察……?
この人たち、警察とも内通してるの?
高校生なのに、ただものじゃない。
私をあっさり誘拐してしまったくらい。
それを思えば、そのくらい不思議じゃないのかもしれない。
「つまりアレだな」
顎に手をあてながら、なにかを悟ったような嵐。
その解釈が理解できた私は、思わず言っていた。
「……父にはまだ報告されてないってこと」
彼らは父が日本にいないことを知っていて、そのタイミングで私を誘拐したのだろう。
私がカラオケ店から失踪したことは、きっと宝生家では大騒ぎになっているはず。
柳田が指示したのかはわからないけれど、私の失踪に関しての捜査は内々で進められいて、きっと父の耳にはまだ入ってない。
そして身柄が戻れば、なにもなかったことになる。
父が日本にいないのをいいことに、今は時間稼ぎをしているのだ。



