嵐って、怖いのか優しいのかどっちなんだろう。
崩さない表情からは本性を伺い知ることは難しくて、だからこそ、知りたいと思ってしまう……。
「アンタ、自分の立場忘れてないよね」
背後からの声に、顔が硬直した。
自分の、立場……?
「──人質ってこと」
……そうだ。
私は何をのんきにラーメンなんて食べているんだろう。
仮にも、私は誘拐されたのに。
少なくとも、さっきのカラオケのメンバーよりは話しやすくて。
しかも同じ慶南の生徒ってことで、気が緩んでた……。
おそるおそる振り返ると、ただひとりまだ帽子もマスクも装着したままの彼が、腕組みをしながら私を傍観していた。



