「だって……同級生に誘拐されるなんて……」
他に理由があるだろうか。
私の家柄を考えたとして、いくらなんでも、ただの高校生が宝生家と関りがあるとは思えない。
私を気に入らない誰かが、彼らに頼んで。
となると、もしかして今日の合コンメンバー……?
私を誘った本当の目的はこれだったりして。
胸の奥から、静かにせり上がってくる動悸。
あの高校で浮いているのはわかってる。
自由を求めたくせに、うまく馴染めず結局は息苦しい毎日で。
逆の立場だったら、宝生の家の人間がどうして慶南に通うのか疑問に思ったはず。
だけど、そこまで疎まれているのだとしたら──
「ちげえよ」



