「まあいいけどさー、そんなの慣れてるから。結局、お嬢サマも人の子だよな」 あ~あ、と言いながら椅子に反りかえる希璃人。 チラリと嵐に目を注ぐと、彼はまだ私を見ていて。 やっぱり吸い込まれそうな瞳を凝視できなくて、すぐに逸らした。 「あの……私って学校の誰かに恨まれてるの……?」 どうやら、この誘拐は私が思っていたのとちょっと事情が違いそうだ。 「えっ? どゆこと?」 答えてくれたのは希璃人。 目を見開くその反応からは、それも違うのかもしれないけれど。