一口すすって、思わず目を見開いた。
「美味しい……」
スープは濃厚だし、麺にもしっかりコシがある。
そもそもあまりラーメンを食べる機会はないけれど、カップラーメンでのこのクオリティには感動。
「この令和の時代に、こんな瞬間に立ち会えるとは」
赤髪男の失礼な言葉は右から左に聞き流して、どんどん箸をすすめる。
「……変な女」
だけど、目の前の彼の言葉は聞き流せなくて。
ふと顔を上げると、彼は思いがけない行動をとった。
「……もうめんどくせえ」
なんと、自分のマスクと帽子をはぎ取ったのだ。
頭を左右に振れば、形状記憶されているかのようにさらさらとすぐに整う髪。
それを見て。
私の口から、思わず言葉が漏れた。
「動く……彫刻……」



