「ぶはっ!」
焼きそばを食べ始めていた赤髪の男が噴き出し、麺が床に飛ぶ。
「差し入れにケチつける人質、最高!」
親指を立てた彼に、私は首を振る。
「ケチじゃない。それがいいって言っただけ」
「同じだろ。オムライスにしとけっつたのお前だし、お前が交換してやれば?」
赤髪の男は隣に座るシルバーの男に、交換してやれと言う。
「ふざけんな、知るかよ」
けれどシルバーの男は取り合う様子もなく、自分のご飯を食べ進める。
べつに、オムライスが嫌なわけじゃない。
そうじゃなくて……。
「もしかしてお前……」
目の前から低い声が飛ぶ。



