う、うそでしょ……。
バクバクバクバクと、有り得ない速さでうち鳴らされる心臓。
それに呼応するように、周囲のざわめきは一層大きくなる。
こんなすぐそばにあの"雪平嵐"がいるのに、誰も近寄ろうとはしない。
動く彫刻と持てはやされる情報科のトップの組織である総長。
その事実は周知のようで。
初めて会った日に推察したとおり、嵐に関しては遠巻きに騒ぐのが精一杯で、目を合わせるとか話すとかは恐れ多い行為で望むのもおこがましく。
いつも遠巻きに見ては騒いでいるけれど、実際自分のクラスなどにやってきたら近寄ることもできないほどの人なのだ。
この場に及んでも、私のところに来たんじゃないと思いたく、白々しく視線をそらしてみたりするけれど。



