雪平……?
そう遠くない記憶の中に残っている名前に、なんとなしに声の方を振り向けば。
誰もが”驚愕”というにふさわしい面持ちでそこを見つめていた。
「えっ……なん、で?」
私も声を出さずにはいられなかった。
教室の出入り口から、感情の読めない無表情な顔で中を覗っているのは、あの、"嵐"だったのだから。
ここに来るはずのない人物がいるというのがどうしても信じられなくて、幻覚でも見ているかのよう。
「やば……ホンモノ……」
麻美も放心したようにつぶやいて、膝から崩れ落ちるのが横目に見えた。
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