BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー


「そ、そうだよ。びっくりしすぎて言葉が出なかった、はははっ」

「で、宝生さんはなにを?」

「私? えっとぉ、教室で寝てた」

「えーうそー。妃翠ちゃんが教室で寝るとかレア! 見たかったな~」

「俺も見たかったなあ」


なんて。
顔を見合わせて笑うふたりを、ひやひやしながら見守る羽目になった。


そうして、その場はなんとか逃れたのだけど。




時間は流れてお昼休みのこと。


教室でお弁当を広げる人、食堂へ向かう人。

これからつかの間の休息へと、穏やかなお昼休みが始まる予定だった。


「ひゃああああっっっ!」

「ゆ、雪平くん……っ!?」


──悲鳴にも似たような誰かの声を聞くまでは。