「妃翠ちゃんお待たせ―」


私が教室で待っていると、パタパタと走ってくる麻美。

ダッシュしたから、麻美が来る前に無事教室に戻って来れたのだ。


「私もトイレに行って来たからちょっと遅くなっちゃってごめん~」と両手を合わせる麻美に、私はううんと首を振る。


「おつかれさま」


6限まで授業をがんばって、さらに委員会までこなして本当に偉いと思う。

それに、麻美の屈託のない笑顔は今の私にはすごく癒し。


そしてここが特進科であることも大きな要因だろう。


心臓がいくつあっても足りない情報科とここは大違いだ。


「それで、話って?」