「俺のこと、なんか勘違いしてねえか」
「……」
「その気になれば、お前のことを簡単に誘拐できるし、今ここで犯すことだってワケない」
体まで凍らせてしまいそうなくらい冷たい声。
頭に、氷水をかけられたような気がした。
「……」
私を見下ろす嵐の目は、とても怖かった。
私は嵐のことを何も知らない。
嵐は、本当に"毒"だった──?
ここまで来たのは私の意志。
この間と違って、全部私の責任だ。
覚悟を決めて身を固くしたとき──
「抵抗しろよ……」
嵐は力なく大きく息を吐いた。
腕の痛みが緩み、
体の重みも解けた。



