「それともナニ? 俺に会いに来てくれたとか?」
サラリと肩に腕を回されれば、「ひゃあっ」と周りから悲鳴があがる。
そのあとには”あの女何者?”とか、”この泥棒猫”など、韓国ドラマもびっくりのセリフが聞こえてくる。
「あの、ちょっと」
いきなり密着されて戸惑う私に。
「わかってるよ、嵐に会いに来たんだろ?」
私にだけ聞こえるような声で。
「……」
思わず口をきゅっと結んでしまう。
人ってどうして図星をさされると、口をつぐんでしまうんだろう。
「はは、わかりやすー」
恥ずかしい。
たぶん今私、顔が真っ赤だろうからもっと恥ずかしい。
「この階段を3階まで上がって、北校舎に向かってまっすぐ歩きな。そうしたら嵐に会える」
背中を押され、トンッと一歩出る足。



