「ねぇ大志、もしもだよ?本当にもしもね?病気が治らなくて約束が守れなかったら、どうしよう・・・」

気づいたら、そんな弱音を吐いていた。

絶対に弱音だけは吐きたくなかった。

強い自分でいることが、プライドだった。

「ごめん!何言ってるんだろう、私!」

私はわざと大きな声で笑った。


「馬鹿だな、羽乃愛は。約束はプレッシャーのためにあるんじゃないんだよ。希望のためにあるんだろ?そう、羽乃愛が言ったんだ」

「それに、弱音を吐くのは悪いことじゃない。前を向くために必要な時だってある。俺は強い羽乃愛だけが好きなんじゃない。どんな羽乃愛でも大好きなんだ」



「え?」



「これは告白。返事は初めて俺に血をくれる時にしてほしい。なぁ羽乃愛。もっといっぱい希望に満ちた約束をしよう。約束を守って欲しいんじゃない。羽乃愛に未来だけを見て欲しいんだ」



「何で、そんなに優しいの・・・?」


ぼろぼろと涙を溢しながら、私はそう言うことしか出来なかった。