それからも大志はたまに現れて、そして気まぐれに帰っていく。

病状はというと、下り坂をゆっくりと滑っていっているような感覚だった。

私は、体調の悪い身体を誤魔化すように笑うことで精一杯になっていた。

「羽乃愛、お前、今日の顔色いつもより悪くないか?」

「そうなの!お昼食べすぎちゃって、実はお腹痛いの!」

「そうじゃなくて・・・」

「うん?」

「何でもない」

ああ、きっとこんなくだらない嘘はバレている。

でも、自分でも約束が守れないなんて思いたくなかった。