「私は遠藤先生みたいに体力が無いので、
いつも追いかけてもらっちゃってすいません。」

「こういう時の為に男がいるんだから、頼ってくれていいんだよ。」
と、爽やかに笑う。

「花先生、今日の帰りにご飯一緒に食べに行きません?」
遠藤先生がプールを片付けていたら突然こ そう誘ってくる。

「えっ?」
と、一瞬躊躇する。

柊君は3日前から県外に出張中だ。今夜帰って来るけど9時過ぎになると言っていた。

最近何度となく誘ってもらってるのに、いつも断っているから申し訳ないなと思う。

「ご家族の方は大丈夫なんですか?」

遠藤先生には1歳になる子供もいるから心配になって聞いてしまう。

「奥さんと子供は今、実家に帰っていていないんだ。」
と、遠藤先生が言う。

「じゃあ、美波先生や間柴先生も誘って行きましょう。」  

最近気付いたのだが、美波先生は多分、間柴先生が好きみたい。
2人お似合いだから密かに応援している。

「…出来れば2人が良かったんだけど…。」

そう呟く遠藤先生の声は私には届かなかった。