あるところに、バラバラになってしまった伝説のバンドがありました。 ひとりひとり抱えたものがあって、すれ違いがあって、結果として切れてしまった糸。 そんな糸を、また結び直した女の子が居たといいます。 いつだって全力で、いつだって前を向いて。 たまに躓いて涙を流すことはあっても、何度も何度も立ち上がりつづけた女の子。 (そんなカンナこそ、俺たちにとっての王子様だったけどね) その子が“ひみつの王子様”だったこと。 それは、切られた糸を繋がれた俺たちしか、知りません───。