「っ、むしろ俺じゃなきゃ駄目だろ!!……いやっ、なんで俺がお前の隣なんか……!!」
「…そっかあ、ダメかあ」
「いや別にダメとかっ、そーいうんじゃなくてだな…!!」
「…ムツミ、俺のこと嫌いだもんね」
「は!?誰も言ってねーだろそんなこと…!!」
言ってなくとも態度で分かるよ。
仲良くしてくれるときはあるけど、わたしのこと結局は避けてる。
ふたりになるといつも逃げられちゃうし、わたしと目を合わせてくれないことのほうが多いもん。
「じゃあ俺の隣に寝てくれる…?」
ムツミの袖を掴んで見上げた。
コテンと首を倒すと、ほら真っ赤。
「うわ、ムツミまじでキモすぎ」
「うううるせーー!!お前だっていつもこいつと近すぎんだよ頼っ!!」
「あ、俺。実はそっち側だから」
「……え、」
サァァァァと青白く変色してゆくムツミを見て、楽しそうに笑った頼くん。
天性のからかい性というか、頼くんにとっていちばん相性のいい相手ってムツミなんじゃないかって思う。



