キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─





と、なぜか逆に盛り上がる男たち。

困惑しているのは約3人だけ。


わたし、頼くん、琥珀くん。



「おおおれっ、帰るよ!帰る!!」


「はあ?なんでだよカンナ。お前がいちばん乗り気だと思ったのに」


「男ばっかでむさ苦しいんだよ!こんなの寝られないしっ」


「女みたいなこと言ってんなって!つーか、この状況でどうやって帰るつもりだよ?」


「………徒歩っ」


「…おまえ、人生に行き詰まったりでもしてんのか」



それは自殺行為でしかないと、ムツミは言いたいらしい。


だって、だって…、

温泉…?雑魚寝…?
そんなの無理に決まってる……!!


それに雑魚寝って、そんなこと銀髪の神様にさせちゃダメだよ…!



「琥珀くんっ、タクシー取るよ俺!だから一緒に帰ろう!!」


「……通行止めってなってなかったっけ」


「……俺と歩いて帰ろうか!?」


「…そんな体力ないと思う僕」



うん、自分の体力を把握していることは素晴らしいことだ。

わたしもね、本当はね、……不安。