キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─





「おまえは?」


「……Gカップ美女に会えるって聞いて」


「おまえは?」


「……混浴アハ体験ができるって聞いて」


「おまえは?」


「……バニーガールが寝てるって聞いて」



ひとりひとりに聞いていっては、どうしようもない返答ばかりが返ってくる。

その足音はとうとうわたしの前で止まった。



「カンナは?」


「……美味しいごはんが食べれるって聞いて」


「…お前がいちばんマシすぎて可愛く思えてきた」



ぽんぽんと頭を叩いてくれる頼くん。

クラスメイト6人が並ぶうちのひとり、わたし。

揃って肩を落としては地面を見つめつづけていた。



「ちなみに…琥珀は?」


「……きれいな森が見れるって聞いたから」


「…まあお前もマシだね」


「頼こそ、どうなの」


「俺?俺は……女体盛りが味わえるって聞いてさ」


「…アホばっかだし」



琥珀くんにしては珍しい言葉を落とすほど、それはもうアホばかりが集った。