キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─





「おーーい、お前いつまでプカプカ浮いてんだカンナ」


「先生っ、俺もうちょっと遊びたい!」


「アホか。次のクラス来るぞ」



どうしよう、どうしよう。

とりあえずクラスメイトたちは更衣室へ向かってくれたけど、次のクラス来たら意味ないじゃん……!


「先行ってるからな」と、呆れた様子で去ってゆく担任。



「お?なんだよ、まだ誰か入ってんのか?」


「あいつ転校生じゃね?」



やっばああああっ!!

来ちゃった……!
また裸の男たち来ちゃった……!!


………やだもう、泣きそう。



「散々だねカンナ」


「っ、頼くん……!」



と、まだ残っていた唯一の男の子がプールに入ってきた。

彼は着替えに行っていなかったらしく、なんとも伸び伸び泳ぎながらわたしが浮かぶ場所へ向かってくる。



「おーい!お前らいつまでやってんだよ!俺たちのクラスの授業だぞーー!」



という、追い討ち。

ただ頼くんだけは作戦を持ってきているみたいで、わたしにコソッと伝えてきた。



「溺れたふりして」


「えっ」


「ほら、はやく」


「えっ、ええっ、あばばばば……っ」