恋は千年、愛は万年。




…アレ?


梅さんは、そっと懐から金の簪を取り出した。

綺麗な花の細工があしらわれた高そうな簪。

そして、ソレを僕へ差し出す。


どう見ても女物のソレに僕は固まった。

僕が女って気づかれ、てた?


「受け取って、アキはん」


慈愛に満ちた笑みに、僕はボロを出すまいとグッと拳を握る。


『女物、ですよ』

「貴様は女だから当たり前だろう」


芹沢さんの核心を突く言葉に僕は今度こそ絶句した。

どうして、気付いてるの?

驚いていない梅さんも、僕の性別に気づいていたようだ。


「梅と選んだんだ。
 一級品ゆえ、無くさず大切にしろ」


芹沢さんは鉄扇で扇ぎながら、サラリと告げる。


二人で選んだ?僕なんかのために?

しかも一級品だなんて。 

簡単に買える品物ではなかっただろうに。

綺麗で美しい簪に目を落とす。

こんな時に、上等な贈り物なんて止めて欲しい。



…まるで、ソレは形見みたいだ。




『…どうして、急に』



胸の奥で押さえつけていたモノが音を立てて暴れ、声が震えそうになる。