「で、アキさんは何で美女に囲まれているんですか?」


ソウ君が不満そうに頬杖をついて、僕と美女の軍団を見てくる。


そう、僕や壬生浪士組のいる座敷に芸姑が固まっているのだ。


そして、その大多数は僕にくっついて離れようとしない。

僕は引き剥がすのも面倒臭くて、シラッとしていた。


「本名、アキなんどすねぇ」

「紅王様にまた会えて嬉しいどすわ」

「紅王様、うち、可愛くなったやろ?」


適当に聞き流す僕と適当に扱われる美女を周りは凝視していて。


「うわ、アキの人気度凄すぎる…」

「悲しくなってくるぜ…っ、うぅ…!」

「新八っあん!!男だろ、泣くなぁ!!」


うん、何か聞こえてくるけど無視しよう。


美女の内一人は僕の腕に巻き付いていて、良い香りを漂わせている。

胸を押し付けるでもなく、変に顔を寄せることもせず。

嫌じゃない媚の売り方に感動する。


「アキ様、わっちと喋りまへんか」

『言葉、崩してもええ?』

「構いまへんよ」

「ずるいで、ウチも話す!」

「アタイも!」

便乗して騒ぎ出す芸姑達に僕は手を軽く叩いた。


『はいはい、邪魔になるから静かに』

「きゃあ!素顔も素敵や!」

「ほんまに惚れてしまいますわ」


何言っても、黄色い声が止まないんですが??

皆の目に僕ちゃんと映ってるんだよね??

どうにも美化されすぎている気がしてならない。