「でな、土方さん実は和歌を作っとるねん」


『ええーっ、そうなの!?
 
 初めて聞いた!』


最初はどうなることかと思ったが、山崎さんと話している内に意気投合し始めた。


山崎さんは忍としていつもトシくんの命令で動いているらしいが、何故かトシくんの秘密を僕に明かしてくれたのだ。

へぇ、トシくんに歌の趣味かぁ、興味深い。


多分、僕の心を解そうという魂胆なんだろうけど…、普通にその話は気になる!!

自分の話題じゃなくて、敢えてトシくんのを出してくるのが策士だと思った。


今現在、縁側には、僕を挟んで右に山崎さん、左に山南さんで並んで座っている。


山崎さんって冷静な人なのかなぁ、と思っていたけれど。


実際に関わってみると、関西の方言と愛嬌のある笑顔が相まって凄く感じが良い。

さらに、話をしていく中で、話上手であることを知った。


あとは人を弄るのが好き、特にトシくん。

ソウ君といい勇気あるよね、鋼の心臓なのかな??



「そうなんよ。

 その歌集が滅茶苦茶おもろいねん!」

『面白いの?歌が?』


思い出しては笑みを零す山崎さんに、僕は首を傾げる。


短歌って、そんな面白いものだっけ。

57577で文字遊びするだけでしょ?


お腹を抱えて笑うってことは、歌が上手いから面白いんじゃないってこと?


「いや、ほんまにおもろいから!
 見たらきっと分かるで」

山崎さんは僕に念押ししてきた。


それなのに、自分は笑うだけ笑って、気になる内容は話してくれない。

何それ、勿体振られると余計に気になるじゃないか!