ニコニコしていたら、隊士達が「おかわり下さい!!」とご飯の茶碗を差し出す光景が目に入った。
『はいはぁい』
僕は、よっと立ち上がって、一人ひとりの茶碗を回収し、ご飯をよそう。
何個ものお櫃に入った白米は全て空になった。
運びやすいし、洗いやすくて何より!
「「「ご馳走様でした!!」」」
綺麗に揃う声で、皆が僕や井上さんのご飯が美味しかったんだなぁと思えた。
そして、全員残さず食べてくれたことが嬉しかった。
やっぱり僕の天職は家事仕事だなぁ。
「美味しかったです!」
『ありがとう』
「アキさんのご飯、最高です!」
『ありがとー』
「嫁に来て下さい!」
『僕男だから(笑)』
稽古へ向かっていく隊士達が、話しかけては通り過ぎていくのを笑顔で見送った。
「アキ、うまかったぜ!」
永倉さんは爽やかにニカッと笑みを残し、急ぎ足で去っていった。
「これからもよろしくな」
原田さんは薄く微笑んで去っていった。
「…うまかった」
斎藤さんは口下手ながらも、褒め言葉を掛けていった。
「これからアキのご飯を楽しみに生きるぜ!」
藤堂さんは、可愛い笑顔と共に殺し文句を放って立ち去った。
「とても美味しかったです」
山南さんは、少し柔らかな表情を浮かべて感想を述べていった。
「アキくんは料理の天才だなぁ」
近藤さんは優しい笑みを浮かべると、僕の頭を一頻り撫でてから去っていった。
「アキのご飯が一番うまい」
トシくんは淡々と簡潔に僕を褒めると、さっさと去っていった。
「滅茶苦茶美味しかった」
ソウ君は最早敬語が崩れていたが、昔のような褒め方が嬉しくて笑ったら、照れたのかフイッと顔を背けて走り去ってしまった。
何だか、今日は過去一褒められた気がする。
胸を満たす満足感に、人知れずフンワリと笑っていた。
ー…その日、朝餉を食べた全員がアキに胃袋を掴まれたましたとさ。