「僕は男の子も女の子も,好きにすればいいと思います。男の子はいつでも離れられるのに,離れない。それはそいつの勝手で,報われなくても女の子が不誠実とは思いません」



報われなくても?

無駄な時間を過ごしたとは,思わないの?



「僕がその状況なら,チャンスが,一緒にいられる時間があるだけラッキーだと思います。僕はその時間を,きっと一生忘れない」



それぞれの自由で,その判断は,間違ってないのかな。

どちらかが,いつか傷ついたとしても。

一緒にいる時間が好きだと思うことは,悪いことじゃないのかな。



「忘れることなんて出来ないのに,切り離される方がつらいです。諦め悪く足掻きたいから。誰かが口を挟んでも,それでも僕を選んでくれる女の子が,僕の気持ちを尊重して忘れないでくれるなら,女の子が許してくれる限り,僕は隣を独占します」



何かを誇るように,血夜くんは私を見た。

そっか,私はさっき。

他人の意見よりも,血夜くんを選んだんだ。



「ちなみに,僕は本気ですよ」