「……私にはうまく聞こえなかったんだけどさ、」


「だーかーらー、つまりー。俺の代わりに男子校行ってくんない? てこと」


波琥(はく)は黙ってて」





だらり、とソファに寝っ転がっている双子の弟、波琥。


そんな弟が言った言葉を無視して、お母さんに聞く。



———それがきっと、運命(すべて)の始まり。





「お母さん、どういうこと?」


「だから、波音(はのん)、波琥の代わりに学校行ってくれない?」