: * ▽ 「……私にはうまく聞こえなかったんだけどさ、」 「だーかーらー、つまりー。俺の代わりに男子校行ってくんない? てこと」 「波琥(はく)は黙ってて」 だらり、とソファに寝っ転がっている双子の弟、波琥。 そんな弟が言った言葉を無視して、お母さんに聞く。 ———それがきっと、運命(すべて)の始まり。 「お母さん、どういうこと?」 「だから、波音(はのん)、波琥の代わりに学校行ってくれない?」