甘くて優しい青春恋物語 ~お隣さんと夏祭りと、熱くて甘すぎる恋~

 そうは思うけど、癖っていうものはなかなか取れないもので。

 それが悪い癖だと、特に。

 だからあまり考えないようにする為に、さっきから思っていた疑問を聞く事にした。

「理仁さん、今日は大学早いんですか?」

「あぁ、最初から授業入ってるからな。」

「大学……大変ですか?」

「いや、別にそうでもないぞ。大学は緩いし、校則に縛られる必要もねーし。単位落とさなきゃいい話だしな。」

 へぇ……やっぱりそういうものなんだ。

 私も大学に進学したいと思っているから、こうやって話を聞けるのはとても嬉しい。

 でも、あまりのんびりしていられる時間はなかったようで。

「わっ、もうこんな時間っ……! 理仁さん、私そろそろ行きますねっ!」

 遅刻だけは避けなきゃ……!

 一人暮らしをする条件に、学校には遅刻しない事があるから急がないとダメなんだ。

 理仁さんに笑顔を向け、少し焦りながら踵を返す。

 ……その拍子に、つるっと足が滑ってしまった。

「っ、うやっ……!」

 昨日の雨でどこかがまだ濡れたままだったんだろう。呆気なく一瞬体が宙に浮く。