「わ、私はね、あーくんのこと、大事に思ってるよ?」

「そうじゃない。ももの好きは、恋人としての好きじゃないだろ」

「そ、そうだけど……あーくんと仲良くできなくなるのは、すごく嫌……」

「なんだよそれ、ずるい……」


そっぽ向いてしまったあーくん。

心なしか、頬が赤くなっているように見えた。


「はい、おしまい」


後ろから大きな手で顔を覆われた。


「ち、千秋くん……?」

「姉さんの答えはこうです、アンタと仲良くはしたいが、恋愛感情はない……いいですね?あと、不法侵入ですよ」


千秋くんの不機嫌そうな声が聞こえる。


「うるせぇ。俺たちは幼なじみだから家の出入り自由なんだよ」

「もうそれも終わりです。高校生の男女ですよ?無防備にも程がすぎる……ああ、だけどそんなバカな貴女も愛おしい……」

「え、ち、千秋くん……?」


私の頭を撫でながらそう言われるものだから、焦る以外に何もできなくなった。