私の弟はヴァンパイア。

な、なんだか裏があるような……。

いやいや!今はそんなこと気にしてる暇ないよね……!!


正気を取り戻した私はどうにか千秋くんから離れようと胸を押す。


だけどこれがまたびくともしないもので、逃げる術を失ってしまった。


「もも、困ってるだろ。離してやれよ」

「関係ないですよね?今僕たち告白してたんですけど」

「は!?こ、告白だと!?」


わかりやすく動揺しているであろうあーくん。

あーくんって、クールに見えてわりと初心なんだよなぁ……。


「おい嘘だろ、俺とももは結婚するんだぞ……?」

「え?」


千秋くんの腕の中で、思わずそんな間抜けな声を出してしまった。


「……どういうことだ?」


とても不機嫌そうに口を開いたのは千隼くんだった。


「そのままのとおりだ、俺とももは結婚する」

「ぷはっ……!な、何言ってるのあーくん!」


やっと、千秋くんの腕から逃れることができてすぐさまあーくんに向かって言葉を放つ。