ガチャンッと扉が開く。


「……吸血鬼臭え……」

「あ、あーくん!?」


扉を開けて現れたのは、お隣さんであり幼なじみの藍くんだった。


彼は普通の人間……のはずだけど……嗅覚が異様にいいらしい。

そんなところで、私の匂いを気に入ってくれたのか小さい頃から懐いてくれていた。


「もも、どういうことだ。これ」

「あ、え、えーっと」


とにかく助かった!

そう思ったのも束の間で、千秋くんに抱きしめられてしまったのだ。


胸に顔を埋めさせられて、すっぽりと身体の中に収まってしまう。


「……誰ですか?うちの姉に何か用で?」


おそらくにっこり微笑みながら言ってるであろう声色をしている千秋くん。