私の弟はヴァンパイア。

こんなの危なすぎるよ……!!


加速する鼓動。

誰かが入ってきてしまったらと思う緊張に、ずるい顔する千隼くんにドキドキして、感情がぐちゃぐちゃだ。


「……ありがと」


そう一言だけ投げ捨てられた言葉。

優しく首筋を舐められて、吸血が終了する。


「……ごめん」

「えっ?どうして謝るの?」

「だって、怖かっただろ」

「……千隼くんって、意外に結構優しいよね」

「は?どう言う意味だよ」

「そのままの意味だよ」


少しムスッとしながらも、照れているのか受け入れた千隼くん。

なんだかちょっぴり、可愛いかも……。


ついきゅんとしてしまった。


「う、うるせぇっ!」

「体調はどう?よくなったかな?」

「……ああ、よくなった。だけど姉貴は?」

「ん?私?」


ああそっか、一応吸われた側だもんね……。