私の弟はヴァンパイア。

よくよく考えてみれば、千隼くんは昨日私の血を気遣ってくれたのか、吸わなかった。


だから、クラクラして、苦しそうだったのかもしれない……。



「っ……千隼くん、いいよっ……?吸って」

「!!」


目をまん丸にした千隼くん。


その瞬間、首にすぐさま口をつけられた。


く、くすぐったい……。


だけどそんなくすぐったさも束の間で、すぐに牙の鋭さに涙する。


私もこれから弟のことたちを助かるために、少しずつ慣れていかないといけないのに……。


でもどうして、なんだか身体が熱くて変な感じ……。

嫌な気が、しないの……。


千隼くんにギロッと不敵に見つめられて、ゾクリと震えてしまった。


「姉貴、えろい」

「え、ええっ……!?」

「その可愛い顔、俺以外に見せんなよ」

「な、何言ってるの……!?」


オドオドする私を見て楽しむ彼。