私の弟はヴァンパイア。

保健室までゆっくり歩いて行く。先生は今いないらしい……。

ベッドに千隼くんを寝かせた千秋くん。


「じゃあ僕は行く。姉さんも戻ろう?」

「で、でも……私、千隼くんのこと心配だからここにいるよ!」

「……わかった、じゃあ僕行くからよろしく」

「うん!迷子にならないように気をつけて!」


そう言うと、にっこり微笑んで行ってしまった千秋くん。


「千隼くん、大丈夫……?」

「お前、近づくな……」

「えっ?」


近づくな?どういうこと……?


首を傾げると、はぁはぁと息を切らし始めた千隼くん。


「だ、大丈夫!?」


ベッドの近くにある椅子から立ち上がって、千隼くんの側に駆け寄る。


「っ……!!」


ガッと肩を掴まれて、その腕の中に閉じ込められてしまった。


「ど、どうしたの……?」


私重くないかな……!?


あわあわしていると、千隼くんの目が真っ赤になっていることがわかる。

牙も見えてるし……もしかして、血が欲しいのかな……?