ヴァンパイアガールズ

私は誰にも見られないよう,口元を緩める。



「私も,ちはやがヴァンパイアだから,分かってるって答えたんだよ」



あなたに好きを返した時点で,全部分かってたんだよ。



「そうかよ」



そう子供みたいに無邪気な笑顔を向けたちはやが嬉しそうだったから。

私もつい,幸せをお裾分けされた。

人間とヴァンパイア。

くねくねと入り組んだ道を進んだ先にあった恋愛は,誰もが認めるハッピーエンド。

辛かった日々も,信じられないような日常も。

私には,何よりも手放しがたい青春だった。

夜の静寂を打ち切って,聞きなれた鐘が鳴る。

学園長が各教師のもとへ走り,美海とハルが私の手を引いた。



「学園長が遅けりゃうっかり切り刻まれるぞ」

「俺がさせるかよ。指一本許可しねぇ」



授業に遅れると,遠回しに忠告したシュウの後ろを,私達が。

その後ろを,気分良さげなちはやが歩いた。

冬が過ぎ,休みが開けたら。

私はまだこの場所の生徒として,2年生を歩み始める。

……私の居場所は,大事な婚約者や友達と共に。

ーヴァンパイアガールズに混じった,私の奇怪な1年は……学園内の混乱と共に,こうして幕を閉じた。




               



      『ヴァンパイアガールズ』ーFin