ヴァンパイアガールズ

あいつら。

一つ一つ突っ込むのも骨が折れるので,運良く聞き逃したことにする。



「うん,分かってる。だから挨拶したかったの。……私は言ったのに,ちはやは言ってくれないの? プロポーズでもいいけど」



むすっと顔を逸らす。

少しついでに欲張ったことは,軽く流してほしい。

ふわりと身体が浮いた。

慌てると,空中で横抱きにされる。

耳元で,ちはやが囁いた。



「ヴァンパイアに好きなんて中途半端な感情はねぇ。……愛してる,浅海。一生幸せにしてやるから,嫁になれ」

「…ふふ……っ!!! それ,最高!! またいつかやってね」



とんと地面に下ろされる。



「なに言ったのかしらねぇけど。俺こんな奴が義姉とか耐えられない。ずっとこんなゲロ甘見せられるわけ?」



シュウの嘆きもセットだった。



「ちはや,さっきいいのか? って言ったけど……あれ,どうして?」



ヴァンパイアに似合わない言葉に,私は尋ねる。

帰ってきた言葉はとてもシンプルだった。



「浅海が人間だからだよ。早ぇとか抜かすんじゃないかと思ってな。そうゆう無駄な過程,人間は好きだろ」