ヴァンパイアガールズ

「この学園の理念に共感して俺をここに入れたんだろ? なら,知ってるはずだよな。ここが何と言う場所なのか」



シルバー·ブレッド。

中身を確認しながら,ちはやは学園長の机に置かれたそれを手にして,構える。

私は止めようと動いた。



『害意あるものに撃たれるくらいなら,己が銀の弾丸となれ』



今更ながら,とんでもない教育理念だ。



「おやめなさい。ちはや,あなたもこの人を撃つと言うなら殺すわよ」



場を支配したのは,1人の女性の声だった。

アリサさんは今までとうって変わって,表情を凍てつかせている。



「ねぇあなた,わざわざ殺してリスクを背負うのはおバカのすることよ。そんなに紙面上の関係にシミを落としたくないのなら,あの子の籍を抜けばいいのよ。そしたら家の歴史にはなにも残らないわ」



嘘でしょ,とスケールのでかさに引いてしまう。

家族の縁が目の前で断ち切られそうになっていた。



「しかしアリサ,それはそれで外聞が……」

「んふふ……ならあなたが選びなさい……ほら,そろそら私のために黙ってちょうだい?」



アリサさんが上から両手で旦那の顔をはさみ,唇を奪う。

隣で美海が



「おー」



と花火でも見るような声を出しながら見上げていた。