「ほら、着いたぞ。少し休めば大丈夫だろ」
「ありがとうございます…」
保健室は、時間も遅いからか、先生の姿はなくガランとしていた。
私をベッドに下ろした翔月は、小さく息をつくと近くのパイプ椅子に腰を下ろす。
「…そう言えば烏丸先輩、最近学校で見かけなかったですけど体調でも悪かったんですか??」
ふと、今朝の話を思い出して、私は徐ろに翔月に向かって問いかけていた。
「…あぁ。ちょっと、な。それより頬の傷…消毒だけするぞ」
そう呟いて、戸棚から消毒液やら、絆創膏やら取り出し準備を始める翔月。
私は自分の頬に、手を伸ばしてみる。
すでに頬の傷の出血はとまっており、血液も固まっていた。
その時、私はあることに気づく。
「烏丸先輩…この前は私の血を見て、吸血衝動がヒドかったのに…今回は…なんともないんですね」
ピクッ。
その瞬間、翔月の動きがピタリと止まった。
「ハァ…。お前って変な所、鋭いよな」
「え?どういう意味…です?」
「まぁ、NVのお前なら別に言ってもいいか…。お前のことNVって知ってて、俺のことを知らないのはフェアじゃねぇし」



