「も、もしかしてその漆黒の瞳に、髪…烏丸の…」
そう呟いた途端、男性の顔から徐々に血の気が引いていく。いつの間にか瞳の色も真紅から普通の色に戻っていた。
「さっきの態度は、烏丸家にケンカ売るってことだよな?」
「い、いえ。申し訳ありません!そんなこと微塵も…」
挙句の果てには恐怖からか、ブルブルと震えだす始末。
そんな男性を冷めた目で見据えた翔月は「お前…今日見たこと、特にこの女のこと…口外しないと誓えるか?」と冷静な口調で問いかける。
「は、はい!もちろんでございます…誰にも言いませんので…どうか」
「……いいだろう。ただし、次はないからな…消えろ」
最後にそう言い放った翔月に仰々しく礼をすると、男性は何も言わず慌ててその場を立ち去った。
よかった…。
男性の姿が見えなくなった頃、ようやくホッと息をついた私は、その場にペタンと座り込んでしまう。
「…大丈夫か?」
そんな私を心配してか、手を差し出す翔月に「ありがとうございます」とお礼を述べ私はその手を握った。



