でも…。
ダメだ、このままじゃ、近くにいる北澤さんたちも巻き込んじゃう。
そう思った瞬間に私は口を開いていた。
「北澤さん、誰か助けを呼んできてくれる?」
「し、東雲さん、で、でも…」
「ここは大丈夫だから、早く行って…!」
「わ、わかった…!すぐ戻るから」
そう言って、弾かれたように北澤さんとその取巻き達が校舎に向かって走り出す。
とりあえず、これで彼女達を危険から遠ざけられたし、きっと誰か助けを呼んできてくれるはず。
そんな一部始終を見ていた男性が「友達思いだね。ま、後ろの子たちは全然興味なかったし、俺は一向に構わないけど?」と呟いてクスッと笑みを浮かべた。
「…ヴァンパイアがこんな時間に堂々と人を襲おうとしていいの?」
「へぇ?キミ、もしかして普通の人間じゃない?俺等…ヴァンパイアのこと知ってるんだね」
一瞬、驚いたように目を見開いた男性。
その瞳はすでに真紅に染まっていて、私は思わずソロリと後ずさる。
スキを見て逃げようと画策してはいるものの、現段階では距離を取って様子を伺うことしかできなかった。



