絶句する北澤さんは、怒りでワナワナと身体を震わせる。
そんな彼女を取巻き数名は気遣っているのか心配そうな視線を送っていた。
「ちょっと顔が可愛いからって…あなたも藤峰さんも…調子にのらないでよ…!」
そう言い放った彼女は地面に落ちている小石を拾い、私に向かって投げつける。
その瞬間、「…ッ!」頬にピリッとした痛みがはしった。
どうやら尖った小石が私の頬をかすめたようで、慌てて頬に手をやると少量の血が付着する。
「…キャッ!」と取巻きの女子達の驚いた声が聞こえた。
まさか北澤さんが私にケガをさせるなんて夢にも思わなかったのだろう。
「あ…わ、私…」
彼女自身も動揺しているのか、頬から出血している私を見てどんどん表情が青ざめていく。
しかし、私は彼女達とは別の意味で顔面蒼白になっていた。
血…!
どうしよう。とりあえずハンカチで押さえて…。
先日の保健室での件から、私は極力ケガをしないようにと細心の注意を払っていた。
もし、近くに普通のヴァンパイアがいたら…この前はあの3人と冬夜だけだったからよかったけど、危険かもしれない。
そう考えるようになったのだ。



